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グリシンのはたらき
おいしさUP!
グリシンには、調味・呈味・矯味のはたらきがあり、いろいろな食品に使われています。
調味料としてのグリシン(調味)
※調味:飲食物を良い味に整える
グリシンには食品の日持ちの向上だけではなく、調味料としても使用されています。
アミノ酸の味(呈味)
※呈味:味を感じさせるもの
グリシンは、旨みを伴った甘味があり、単品や他のアミノ酸、核酸と組み合わせて、調味料として用いられます。旨味調味料として有名なグルタミン酸など、他のアミノ酸にもそれぞれ固有の味があります。
味 | アミノ酸 |
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甘味 | グリシン、アラニン |
苦味 | バリン,ロイシン,イソロイシン,アルギニン,リジン |
旨味と酸味 | アスパラギン酸,グルタミン酸 |
食品中のアミノ酸材料
アミノ酸は、もともといろいろな食品に含まれています。グリシンもその一つで、魚介類や肉類に多く含まれています。
海老やウニなどの旨味のある甘味はグリシンによるものです。グリシンには、このような性質があるため、調味料として多様な製品に利用されています。
可食部100g中のアミノ酸 |
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味のマスキング(矯味)
※矯味:味や匂いを消したり抑えたりして整えるもの
グリシンは、塩味を和らげる作用があります。2つの同じ濃度の食塩水を用意して、片方にグリシンを加えると、塩辛さが和らぎます。塩で食品の保存性を持たせようとすると塩辛くなりがちですが、グリシンは食品の塩辛さを和らげ、旨みを引き出します。
細菌増殖を防ぐために酢を使う場合もすっぱくなりますが、その場合もグリシンを用いると酸味を和らげ、味も良くなります。