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グリシンって何?
グリシンの正体
グリシンは、アミノ酸の一種で、体内にもある安全な物質です。
グリシンの構造とアミノ酸
グリシンはカルボキシル基の付いている炭素(α‐炭素)にアミノ基が直結しているα‐アミノ酸と呼ばれるアミノ酸の一種です。
もっとも分子量が小さく単純な構造をしています。不斉炭素を持たず、鏡像異性体がありません。
グリシンの物性
別称 | アミノ酢酸、グリココール |
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CAS.No. | 56-40-6 |
構造式 | NH2CH2COOH |
分子量 | 75.07 |
融点 | 232-236℃(分解) |
水への溶解性 | エタノール、エーテルには、ほとんど溶けません。 |
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人間の体内でも作られている!
グリシンは人間の体内で作ることのできる非必須アミノ酸に分類され、いろいろな体の働きに関わっています。
特に血液中での酸素を運ぶ機能に関係するポルフィリンや筋肉運動に必要なクレアチン、抗酸化物質のグルタチオンや核酸のプリン体を作る物質として知られています。
グリシンは多くの動物性タンパク質に存在し、特にゼラチン・エラスチンなどに多量に含まれています。食品では、ホタテやエビ、カニなどのほか、牛肉・豚肉・鶏肉などの肉類に多く含まれています。
このように安全性の高い性質も大きな特徴です。
さまざまな用途への使用
グリシンは水に溶けやすいという性質もあり、さまざまな用途で使用されています。
匂いがほとんどなく甘みがあることや、菌をおさえる静菌作用があることなどから調味料や日持ち向上剤として惣菜,菓子など多くの食品に使われています。
また、食品用途以外にも、その特性を活かして、医薬品用途、化粧品類、工業薬品他、幅広く使われています。